Chef
宮城県仙台市で「シャンパンハウス」という飲食店を経営している清野與蔵と申します。飲食店を経営する傍らで、地域生活に密着する商業空間を創ってきました。これまでに、宮城蔵王遠刈田温泉の「森のソーセージレストランベルツ」仙台市八木山の「フランス菓子・ル・グレン」上山市葉山温泉の「名月荘・蔵のコンサートホール」などをお手伝いさせていただきました。
2017年7月、10年以上前から通い続けている「猫の島」として有名な宮城県石巻市の田代島で、島の魅力を多くの方に伝えたいという思いから、観光客をおもてなしするための「カフェ&レストラン」を開業いたします。レストランでは、石巻や県内産の食材をつかったお料理をご提供いたします。
Vision
Work-in-progress
私たちは、観光客の皆様をおもてなしするための休憩所として、元は漁師さんの家だった古民家を改装して、カフェレストランを運営するプロジェクトを立ち上げました。
レストランでは、食事を提供するだけでなく、これから島で何かプロジェクトを起こそうという次世代のために、簡易的な宿泊もできるようにする予定です。
この島の魅力を活かし、未来に引き継いでいきたいという思いに共感して、友人たちや「仙台建築都市学生会議」を中心とした、東北大学・東北工業大学・宮城大学・宮城女子大学など、東北で建築を学ぶ学生たちも協力してくださっています。「島の住民の方々」と「次世代」の想いを汲み取りながら、田代島をみんなで良くしていこうと動き出しています。
田代島は、亜熱帯と見まがうほどの美しい照葉樹林や湧き水が溢れています。私たちは、この豊かな自然を活かし、2010年から島の気候に適したオリーブを植樹して育ててきました。このオリーブを「北限のオリーブ」として島に根づかせ、将来若者たちが島に移住してきた際に、農業でも生活できるようにしたいと考えています。レストランでは、このオリーブも食材として提供し、「猫とオリーブの島」として田代島を育てていきたいと思います。
数十年前まで1,000人の住民がいた田代島。こんな小さな島がそれだけの人口を維持できたのは「水」があったからです。きれいな水資源があることで、田んぼを作ることができ、自給自足の生活が可能になります。昔の島の人々は、自然の恩恵に感謝し、お米もたくさんとれる豊かな島になってしいとの思いをこめて、「田代島」と名付けたそうです。
このような島の住民の方々の思い、天然林ともいえる豊かで深い森、そして森が育む海の恵みを次世代に引き継げるよう、レストランを起点に、子どもから大人まで楽しめる「自然学校」など、未来に向けたプロジェクトも視野に入れております。
イラスト:古山拓